よもぎの話

7月に入り、東京では、新型コロナウイルス感染者が再び増え始めました。自粛生活を経験した今、「病気に負けない体づくり」を日々行っていきたいですね。

鍼灸治療院での施術のメインは、「はり」と「お灸」。鍼灸には、肩こりや腰痛を和らげるだけでなく、自律神経を調整して、全身を癒す力があることがわかっています。特にお灸は、免疫力向上に効果的。感染症で命を落とす人が多いアフリカでは、今、日本生まれのお灸が、病気予防のセルフケアに大きな効果を発揮しています。そこで今日は、お灸に欠かせない「もぐさ」と、その原料である「よもぎ」の話をしたいと思います。

左:もぐさ  右:台座灸

こちら↑が、お灸に使う「もぐさ」。質のいいもぐさは、ふわっふわで柔らかく、綿のように軽い♡ これを皮膚にのせて線香で火をつけ、ツボを刺激するのがお灸です。右側は、一般の方もご自宅で使える台座灸。この中にも、もぐさがギュっと詰まっています。お灸の効果は、温熱効果+もぐさの精油の効果。先人たちは、植物の力を、古くから利用してきたのです。では、もぐさっていったい何? その正体は、野原や小川の土手に生えている「よもぎ」です。

よもぎ茶

これが乾燥させた「よもぎ」。草団子に入れる「よもぎ」は、乾燥させてもいい香り。よーく見ると、葉っぱの裏が白くなっています。この白いところに、植物のエキスが集まっているんです。もぐさは、この白いところだけをとって、細かく摺ってつくります。実に手のかかる作業ですが、まさに自然の恵み100%! そう思えば、お灸のチリっとした熱さも何だか心地よく感じられるのでは?

よもぎのお茶♥温まります

乾燥よもぎは、煮出せば「よもぎ茶」としてインナーケアにも役立ちます。生薬名は「艾葉(がいよう)」。お腹を温め、冷えをとることから「婦人科の要薬」とされています。だし袋に入れてお風呂に入れれば〝くすり湯〟に。蒸し暑い今の時季は、湿気やエアコンでお腹が冷えやすいので、気になる方はぜひ、お灸とともにお試しください。

鍼灸治療では、専らはりによる治療がメインになりますが、当院では症状に合わせ、さまざまなお灸を取りいれています。コロナ第2波が心配な今こそ、お灸のパワーを! 「よもぎ」の力で、健康の基盤を高めていきましょう。